クリスマスに読みたくなる一冊。クリスマスキャロル。血も涙もない金貸しのスクルージの下にかつての相棒マーレイの亡霊が現れる。マーレイは生前に犯した罪を悔い、スクルージにも人間として正しい道を歩んでほしいと訴える。そしてそのために3人のクリスマスの霊をつかわす。過去のクリスマスの霊、現在のクリスマスの霊、そして未来のクリスマスの霊。この3人がスクルージの過去から現在を経て未来に至るまでのクリスマスを示現する。スクルージは楽しかったクリスマスの思い出を思い出し、現在クリスマスを祝っている人たちの姿を見、そしてこのままでいくと将来どういうクリスマスを迎えることになるのかを教わる。

一番重要なのは過去のクリスマスの霊だと私は思っている。過去の楽しかったクリスマスの思い出を思い出したところで、スクルージの氷のような心が解け始める。そして現在従業員のボブ・クラチットやスクルージの甥がどのようなクリスマスを送っているのかを見て、氷の心は完全に溶ける。未来の霊は、もうほとんど脅しをかけて最後の一押しをする。スクルージの気持ちがどのように温かさを取り戻すのかを読むのはとても簡単だが、この本はどのようにして彼の心が凍ってしまうのかを読み取ることもできる。

私は小学生の頃からディズニーのアニメでクリスマスキャロルに親しんでいたので、この本は愛読書の一冊でもある。人は生きる過程で変わってしまう。よくもなれば悪くもなる。人生のターニングポイントで精霊が道を正してくれるのなら、それは幸せなことだ。世の中には自分の道が誤っていると分かっていても、生き方を変えられない人のほうが多い。これはキリスト教文学の傑作作品の一つと言えるだろう。



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