星の王子さまのことば ★★★★☆

小説
『星の王子さまのことば』。新人物往来社から出ている本だ。これは「星の王子さま」のセリフを抜粋して分類分けした名言集のような本だった。他の解説書でも見かける印象深いセリフを選りすぐってある。抜粋は逐語訳からではなく、意訳や要約になっている。読みやすさを高めるため若干原書のニュアンスを欠いているが、「星の王子さま」の美しさを知る上では手にしやすい一冊だ。

この名言集は「昔こどもだったおとなたちへ」、「仕事や人間関係で悩んだら」、「愛と絆について」、「人生の真理」の四つの章からなる。章と章との間にサン=テグジュペリの生涯についてコラムが挟まれ、見開きページには『星の王子さま』と対応させて、サンテックスの他の作品で類似した一節も引用されている。

まず感心したのは、『星の王子さま』のセリフをとてもうまく分類している点だ。1冊の本から類似した一節やセリフを抜き出し分類する手法は文学作品の解説でよく使われる。まったく違った場面で使われる一節をそれぞれ抜き出して類似点から分類し、サンテックスが本当に言いたいこと、重要なキーワードを見い出そうとする。この試みはとてもおもしろい視点だと思う。さらに抜粋されているセリフは、王子さまが生来大切にしている世界観と、ヘビやキツネなどの登場人物と出会って生まれた新しい世界観に分けられる。

王子さまは六つの惑星を旅する。そこに住む大人たちは、みんな妙な違和感を覚えさせる存在だった。みんなそれぞれ仕事や役割を持っていたが、何かが欠けている。そんな思いを含ませている。では、何が欠けているのか。王子さまは答えを見つけられなかった。王子さまは地理学者に紹介され、地球へやってくる。そこでヘビやキツネと出会う。「砂漠って、ひとりぼっちでちょっとさびしいね。」。王子さまの問いかけにヘビはこう答える。「人間のいるところでも、さびしいさ」(P.100)。またキツネから「飼い慣らす」とはどういうことかを教わる。それは何十万人もいる大勢の存在から、特別な一人の存在に変わるということ。王子さまは、そこで初めて今まで欠けていた物が何なのかを知ることになる。それは絆。これまで出会った大人たちに欠けていて、王子さまが求めていたもの。それが絆。王子さまは地球でそれを学び、そして自分の星へと帰っていく。

『星の王子さま』が現代でも愛される理由は、ここにあると思う。現代の社会で希薄になっているものを、子供の視点で教えてくれる本。それが『星の王子さま』だ。この本はとても美しく、何度読んでも心を潤してくれる。
 

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星の王子さまのことば
星の王子さまのことば

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サン=テグジュペリ
新人物往来社
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