脳からストレスを消す技術  ★★★★☆

ライフハック
この本は脳科学の視点からストレスは何かを分析し、そのストレスを消すために私たちができることを分かりやすく解説してくれている本です。私たちが普段から感じるストレスには3種類あり、それを感じている脳も三つあります。最初に3種類のストレスとは、1.身体的ストレス、2.「快」が得られなくなる時に感じるストレス、3.他人から正当に評価されない時に感じるストレス、このストレスを感じている脳も、それぞれ、1.仕事脳、2.学習脳、3.共感脳となっています。

『脳からストレスを消す技術』では、この中の共感脳に重点を移し、共感脳で分泌されるセロトニンが、それぞれ仕事脳、学習脳もコントロールしてうまくバランスを保つ働きをしていると論じます。セロトニンというとうつ病治療でも注目されており、セロトニンが欠乏すると気持ちが沈んだり、やる気が低下したり、他者とのかかわりを拒絶するようになります。そして、セロトニンがよく分泌されている状態だとやる気や行動力に満ち、他人とのコミュニケーションもうまくできるようになります。それは人間の大脳皮質にある「共感脳」が働いているために、他人の気持ちをうまく察することも、場の空気を読むことも、喜びや悲しみの気持ちに寄り添うことも、相手を思いやることも上手にできるようになるからです。人間はコミュニティを作る生き物ですから、この他者と共感するのに役立つ共感脳の働き一つで、人生が変わります。

大脳皮質を活性化。セロトニンは太陽光とリズム運動で活性化される
この本のいいところは、共感脳(大脳皮質)とセロトニンの重要性を説くだけに止まらず、セロトニンの大切さが理解できたところで、どうやればセロトニンを獲得できるかというところまで踏み込んでいるところです。セロトニントレーニングで大切なのは、太陽光とリズム運動です。太陽光というのは、午前中の5~10分でよいのでお日様の光を浴びましょうということです。そしてリズム運動は、例えばウォーキングやジョギングなどの方法がありますが、これは呼吸でもいいようです。リズムを取ることなら別に運動する必要はなく、座禅のような腹式腹筋呼吸法を意識して5~15分ぐらい座って呼吸しているだけでもセロトニンは分泌されるといいます。本書の中ではヨガや太極拳も勧めています。本当に簡単なリズム運動を続けるだけで、人生が変わる。まずは3カ月を目標に続けることを強調しています。私も早速試しています。


涙の効用、笑顔の効用
この本は共感脳で分泌されるセロトニンが、仕事脳や学習脳のバランスも保つということを論じておりますので、本書は共感脳中心で話が進められています。この共感脳において、泣くことや笑うことも脳からストレスを取り、脳を活性化するのに役立つそうです。涙を流すときは「情動の涙」を流すと、交感神経から副交感神経にスイッチが切り替わり、ストレスが一気に洗い流されるといいます。週末に1回ぐらいは感動できる映画やドラマで感動の涙を流して号泣するのも、脳科学的に見ると立派な健康法だそうです。そして、笑うことも脳にはよく、笑いは元気を出すのに役立ちます。私はなかなか泣けないのですが、笑顔は毎日作っています。笑顔は林成之さんの『脳に悪い7つの習慣』という本で紹介されていたので、こちらは毎日続けています。

タッピングタッチでセロトニン濃度が高まる
タッピングタッチというのは、2人1組で1秒間に1回ぐらいのペースでトントンと背中に軽くタッチするというものです。子育て中の女性が赤ちゃんの背中を軽くたたくのと同じです。この子育て中の親子がするスキンシップでは、背中をトントンとたたかれている赤ちゃんはもちろん癒されますが、母親のほうも同時にセロトニン濃度が高まり、やっぱり癒されているのです。これは母子関係だけにかかわらず、2人1組でペアを組んだ人たちでも同じことが起きるそうです。

社会で活躍する忙しいビジネスマンがスポーツや、あるいはヨガや太極拳を続けているという話はよく聞きます。そういうものが何に効果があって、何の役に立つのかということを知らないと、なぜ続けているのか疑問に思うところですが、実はそれを行うことで体の調子がよくなり、仕事にも集中できるという効果があれば、やらない理由はないですよね。久しぶりに生活を向上させてくれそうなよい一冊に出会えました。私もこれを読み終わってから座禅のリズム運動を取り入れました。α波によるクールな覚醒が起こっているような気がして、とても気持ちいいです。この本はお勧めの1冊です。
 
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