株式投資これだけはやってはいけない ★★★★☆

投資
この本は、旧山一證券自己売買部門にディーラーとして勤めていた東保氏が、株式投資をする際に気を付けていたルールブックだ。

第1章「株式投資で大損するタイプ」でトレードをする際に気をつけることを、また第2章「売買テクニックの基本」で基本的なトレード姿勢を述べる。第3章と第4章では損をしないために気をつけること、第5章と第6章で本格的なテクニックが論じられている。

この本は兜町のディーラーとして仕事をされていたプロの投資家が書いた心得帳なので、
これから投資を始めようとされる方が投資姿勢の基本を学ぶのには大変役立つ。

勝ちを大きく、負けを小さくするためにも1度は読んでおきたい本だ。

この本で通して述べられていることは損失軽減の徹底だ。
まず第1章「株式投資で大損するタイプ」で書かれている損切りの重要性だ。
投資の本の中には長期投資を勧めるものも多く、株式は会社が倒産しない限り、
いつかは上がると書いているものも少なくない。この本では、まずその考え方に警鐘を鳴らす。

高度経済成長とバブルの日本で銀行の護送船団方式と呼ばれる金融政策が存在したのは、はるか昔のこと。今日の日本では銀行も企業もつぶれるときは確実につぶれる。つまり所有する株式がまったく無価値になってしまうことも決してめずらしくなくなった。その上、予想をはずして下げ相場になったときには、意外とそのまま下げ気配が続くことも多い。

証券会社のディーラーが行うのはデイトレードなので1日のうちに手じまいをしないといけないため、損切りが遅れると損失が拡大するばかりでよいことは何もない。プロのディーラーにとって大切なのは買いと売り、利益確定と損切りの確実な判断だ。

このことがわたしの緩い気持ちを変え,1番印象に残ったことだった。

次に第3章「気がつかないうちに陥りやすい失敗」が印象に残った。急な方針変更に注意をうながす章だ。

この章では株価が予想より大きく上がったことで利益目標を変更して、結局3度の変更を行って損失を出してしてまった話が語られている。先の損切りの話もそうだが、ここでの利益確定の決断でも、緩いルールしか決めずに相場の状況に応じてルールを変えてしまうようなことをしていては、結局損失を出すもとになる。下がったらすぐに損切り、利益目標に到達したら迷わず利益確定をする。場に流されない強い意志と熟慮されたルールに則った確実な決断の重要性が説かれており、株式市場の厳しさを考えさせられる場面だった。

第3に第4章「苦しいときの対処法」が良かった。
「ミスは放置しない」の節で、判断ミスや見込み違いの対処は迅速を要するという一文が特に印象に残った。

株式市場はいじわるなので、時間が解決するとは絶対に思ってはいけない。前記の第1、第2と連動するが、株式投資を行う際にはきちんとしたルールを決め、そのルールを確実に守ることが負けを小さくする第一歩なのだ。

この本のキーワードでもある損切りの重要性は、全章にわたって何度も説かれている。どんな投資ルールを決めても、損切りが確実にできるプロの投資家は常に負けを小さくできる。投資の世界では負けることは何度となく経験することなので、上手な負け方が大切になる。

この本はアマゾンで人気があったので購入したが,なかなかおもしろい本だと思う。プロのディーラーが手法を本にすることはめったにないので、証券業界の中をかいま見られる点でも一読の価値はあると思う。

利益をあげられる素材やもうかるテクニカル分析などについてはあまり触れられていないが、投資で負けを小さくする手法についてはとても詳しく解説されている。

勝負に勝つには負けたときに致命傷を受けないことが肝心だ。負けを小さくするという一面について、この本はとても勉強になった。
 

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