『断捨離』─人生を変えた一冊! ★★★★★

ライフハック
ちょっと前にブームになった片づけ術・断捨離。これは、もはや片づけ術のレベルではありません。一つの思想を成しています。禅の教えとヨガの思想が合わさって、それが住環境のあり方を考える思想になっています。この片づけ術の原則は「要・適・快」でいるモノといらないモノを選別し、さらに自分とモノが生きた関係であるか、死んだ関係であるかを考えて、自分のライフスタイルにふさわしいものだけを身の回りに置くというものです。

片付かない部屋の住人は、例えるならヘドロの中のナマズ!
私の印象に残った部分をいくつか挙げてみます。まず片付かない部屋を人間で例えるなら便秘の症状に似ているという部分。筆者はいつもよほど汚い部屋ばかり片づけているのか、どうもこの本のたとえは汚い表現が多いです。だけど、モノが散らかった住環境は便秘と同じという表現は妙に納得してしまいました。モノが堆積し、どんどん不必要なモノを購入し、それが堆積していく部屋とそこに住む住人は、例えるならヘドロの中のナマズのようなもの。濁(にご)った水の中で動くのも億劫(おっくう)になってしまうような状態。そこで最小限の酸素を吸って呼吸しています。単純に片づければいいのですが、水をかき混ぜようものならヘドロが混ざり合ってしまい、窒息(ちっそく)しかねない状況。それが片付かない部屋とその住人なんです。だから動くのも嫌になり、ヘドロの中で淀んでいる。この例え話は、片付かない部屋の住人・私にとって「なるほど!」とうなってしまいました。

片づけられない人には、大きく分けて3パターンある!
片づけられない人には三つのパターンがあると筆者は言います。現実逃避型、過去執着型、未来不安型の三つです。現実逃避型というのは、散らかった家にいたくないので、外で活動していることが多い人。片づけられない現実から逃避しているという意味で、現実逃避型。過去執着型というのは、思い出の詰まった過去の品を捨てられない人。昔、獲得したトロフィーとか、過去の栄光や思い出をいつまでも引きずっているという意味で、過去執着型。そして未来不安型というのは、消耗品を何カ月分も買いためてしまう人。いつ手に入らなくなるかという不安を抱えて買い占めたものがいっぱいの部屋と人。

私は、この中では過去執着型に当てはまりました。過去の思い出をいつまでも引きずっている私。学生時代に読んだ本がいまだに本棚に何百冊と並べられている状態。もう十何年も前の本だから、今からしたら字が小さくて読みにくいし、文部省の進める本なんて実生活では役に立たないとは分かっています。読みにくい、役に立たない、あまり思い出したくない過去でもあるということを勘案(かんあん)しても、もう2度と読むことはないと思うんだけど、いつか読むかもしれないと本棚を占拠しています。断捨離ふうに言うなら、これは過去執着でしかなく、思い切って捨てると新しい何かが見えてくる。思い出を断ち切る、過去の自分を振り払うっていうのは、正直なところ、かなりつらいです。断捨離できない人の気持ちが分かった瞬間でもありました。

断捨離をして、残ったモノから自分が見えてくる!
自分にとってあまり意味のないモノ、あるいはすでに意味を失っているモノを捨てるのは案外簡単です。しかし、どうしても捨てられず、残っているモノがあります。それが今の自分自身の姿を教えてくれるモノです。この本の例え話でおもしろいものが一つありました。30代独身女性が本を整理した時の話。自分が学んできた社会科学系の本は奇麗さっぱり捨てられたのに、段ボール一つ分の本が残ってしまった。それがなんと成就することのない恋愛を描いた悲恋の小説だったのです。最後に残ったその段ボール一つ分の恋愛小説の存在を目の当たりにし、その人が結婚を拒否していたことに気付きました。その受講者の方は、その段ボール一つ分の恋愛小説も奇麗さっぱり断捨離し、結婚を受け入れる自分というものをつくっていったそうです。

私の場合は、やっぱり学生時代にがんばって読んだ本です。これがどうしても残っています。そんなに学生時代に執着しなくてもよさそうなものなのに、やっぱり夢を抱いてがんばっていた時の自分、そして夢が叶わなかった人生最初の挫折。その時の思い出が捨てられません。これを奇麗さっぱり捨て去って、新しい本を一つ一つ並べていけば、きっと自分も変われるのかもしれません。

断捨離は奥が深いです。最近は住育というものもひそかにブームで、シンプルで快適な家の生活を目指す人が増えています。その流れの中の一つが断捨離なのだと思います。自分とモノの生きた関係を重視し、本当に必要なものに囲まれて生活すると、生活スタイルがレベルアップする。確かにそうだとは分かっても、いざ自分で「腐ってしまった関係のモノ」を捨てるというのは、口で言うほど簡単ではありません。「なんだ、捨てるだけじゃん。」と思ったら大間違いです。大切なのは、関係性が生きているものだけを残すということです。もう何十年も使っていないけど、捨てるのは忍びないというものは誰だってあると思います。私は、いざ断捨離をやってみようとするまで、その認識すら持てませんでした。過ぎ去った過去を捨て去り、未来へのステージを上がる。それも、なかなか大変そうですが、やり遂げたいです!
 

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