OL、手取り12.5万円 20才からの株式投資 ★★★☆☆

投資
この本は、手取り12.5万円の女子社員が、いかに生き残るかを面白おかしく書いている。本文は5章に分けられ、「株式投資で収入とキャリアアップ」、「まずは元手をつくろう」、「株式投資を始めてみよう」、「どんな会社か、自分で調べてみよう」、「株式投資を楽しもう」となっている。第1章では、家を失った萌絵さんの極貧生活脱出と株式投資について書かれている。第2章では、誰でも努力次第で元手を作れるという趣旨で、その方法を提案する。第3章から第4章にかけては、具体的な株式投資の始め方、手法のアドバイスについて書かれ、第5章では、株式投資の心得について述べる。株の解説書というなら、これは入門の入門という位置づけだ。それでも押さえるべき要点は、しっかり押さえてあるので一読の価値はある。

私が一番印象に残っているのは、第1章の萌絵さんの武勇伝だ。会社経営をしている父が失踪し、借金のかたに家を差し押さえられた萌絵さんが、どん底から這い上がる話は、多少嘘くさいところもあるが、勇気を与えられる。彼女はOLとして12.5万円の会社員をしていたが、薄給から脱出するためには会社員の生活に満足していてはいけないと気付く。そこで彼女が考えたのは、むかし父から教わったという株式投資だ。彼女は株式投資の勉強を進める中で資産を蓄え、大学に入学し、外資系企業に就職する。だが、ここで面白いのは、外資系企業に就職しても結局数年で辞めてしまうのだ。彼女は、自分が一番やりたいことでお金を稼ぐのが最善の生き方だと述べる。社会の枠に囚われない自由奔放な生き方をしている萌絵さんの魅力が伝わってくる。

次に株式投資の手法について述べた第3章と第4章が印象深かった。萌絵さんはテクニカル分析をあまり重視しない。世の中にはテクニカル分析について書かれた本がたくさんあるが、長期投資を前提としている萌絵さんは、テクニカル分析は統計的にみると有効な結果が出ていないと述べる。私が違う本で読んだゴールデン・クロスやデッド・クロスを見事に否定されてしまった。そういう見方もあるのかと目から鱗だった。萌絵さんは、ローソク足もあまり意味がないと述べる。チャートはあくまでトレンドを見るものであり、それを細かく分析しても有効な結果はでないそうだ。

第4章では会社四季報について触れられていたので、それについても考えてみたい。この本は長期投資を前提として書かれているので、企業のIR、日経新聞や会社四季報に目を通すことは最低限すべきことの中に入っている。萌絵さんは、銘柄を選ぶときPERやPBRから選ぶ方法を提案するが、それには企業の経営についての最低限の情報を得ておかねばならない。本の中では会社四季報をおじさん雑誌などと揶揄しているが、今後投資の勉強を進める上では欠かせない。今後も重要な情報源として定期購読しようと思う。また、私はPERやPBRの概念が今一しっかりのみ込めていないので、銘柄を選ぶ方法として今後の勉強課題としたい。

この本では株式投資と萌絵さんの武勇伝が経糸と横糸の関係になっている。楽しんで株を勉強するにはオススメできる1冊。萌絵さんがいうように、100冊は関連書籍を読み込んで、しっかり株を勉強したい。

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